和歌山市のコワーキングスペースConcentのメンバーと「みんなの経済新聞ネットワーク」(通称みん経)をスタートして3年目に突入しました
追記
すみませんすみません。最初と最後にバトンタッチがいるんですね 😥
なんとか締切を守ろうと必死で見落としてました。(言い訳
発見コーチのTakayanagiさんからのバトンでした。
私も出張の際にはコワーキングスペースにお邪魔してどきどきしています。
もし奇跡が起きて和歌山にお越しの際にはコンセントへお越しください。
そして、バトンタッチはなぜか同じコンセントの小泉です。
いちおうこれだけは言わせてください。
「先に登録したのは僕だからね」
改めまして、和歌山市のコワーキングスペースConcent運営スタッフその2の平野(@hirarit)です。
コワーキング Advent Calendar 2015にエントリーさせていただきました。「コワーキング」をテーマにコンセントで更新する地域ニュースサイト「和歌山経済新聞」の活動について書いてみます。
和歌経は平日1本ハッピーニュースをお届けするWebニュースサイトです。Yahoo!ニュースなどの巨大ニュースサイトに記事を配信するみんなの経済新聞ネットワークの一員です。しかし、僕はサラリーマンをしながらコワーキングスペースを運営している身なので、毎日記事を書くことができません。そこでコワーキングスペースに集まるメンバーに助けてもらって平日1本配信を続けています。
そもそも和歌経が誕生したきっかけもコンセントでした。2013年6月にコンセントがオープンしました。その僅か1ヶ月後に和歌経編集長である宮脇淳さんがコンセントにやって来ました。そこで「今日からここが和歌経編集部だ」と決まったのでした。3ヶ月後の10月25日には和歌経はローンチしました。準備期間はかなり短い方だったと思います。これは宮脇さんが品川経済新聞を運営してきた経験者だったこと、そして、プロのライターで編集者だったお陰です。(東に向かって敬礼)
宮脇さんは和歌山出身で地元に地域貢献したいが、自身は東京で会社を経営しており取材ができない。そこで地元で活動してくれる仲間を探していました。その頃、僕達はといえばなんとなくクリエイティブな場を作ろうとスペースを作ってはみたものの、ここで何をしていこうかと考えている状態でした。作るのに必死で作った後のことは考えていませんでした。ただ情報発信については課題意識があり、「自分たちでメディアを持ちたい」と考えていました。コンセントの立ち上げに関わったメンバーやその周辺の人は何かしらの活動はしており、それぞれ独自に情報発信に取り組んでいましたが壁を感じていました。
例えば、何かイベントを企画したとして、大手新聞社の地方欄と、地元誌でも取り上げてもらっても、県外の人にはまったく届きません。では、県民・市民に認知されたかといえばやや疑問が残ります。そもそも、和歌山県には全域をカバーする新聞がありません。そして、自分自身の生活を見直せば、新聞も取っていませんし、テレビも見ません。情報源はほぼネットです。仮にテレビを持っていたとしても、全国ネットの放送を見ていたら地元ニュースには気付かないでしょう。面白いコンテンツには地域は関係ない、はずです。むしろ地方都市の情報は少ない分、それを集めたサイトを作りたいと思いました。県外から和歌山のことを知ろうとしたときに、ググるのはもう特別なことじゃないわけで。むしろ圧倒的多数のスマフォ世代には紙の新聞の地方欄よりYahoo!ニュースの方がリーチできます。「何か独自のメディアを作ってネットに街の情報を発信していこう」なんて話は頻繁にしていました。
みん経について知ったのもその頃です。知り合いを辿ってなんば経済新聞の編集部を訪ねたりしました。その数週間後には宮脇さんが颯爽と現れて「和歌経しようぜ」と言ってくれました。なんというか、もうこれはやるしかありません。むしろ感謝です。
和歌経を始めたいと周りに声をかけたときに集まってくれた初期メンバーは、ブロガー、Webデザイナー、書店員と今書き起こしてみれば「そんなパーティーで大丈夫か?」と不安になりますね(笑)。実際、僕らは素人集団で記事なんて書けるんだろうかと不安でいっぱいでした。そこは宮脇編集長のご指導のお陰で(これ本当に大変だったと思います)なんとか体裁は整えていただきました。
全国には100以上のみん経編集部がありますが、和歌経の特徴は編集部のメンバーはみんな普段は違う職場で働いている点です。また現状も赤字事業で、記者には報酬をお支払いできていません。これは運営者として非常に申し訳ないことですが、事実なので仕方ありません。和歌経は地域貢献事業であり、記者も編集長も全員がボランティア、いわば大人のサークル活動です。週に1度コンセントに集まり編集会議を開催しています。最近は薬剤師とファイナンシャルプランナーというすごい新人も加わりました。みんなそれぞれ、別の職場で働いてから集まるので編集会議も20時から。仕事帰りの疲れた時間に毎週集まってくれます。
なぜ和歌経を続けるのか、これは実は一緒にコワーキングスペースを運営する小泉博史の受け売りですが、「和歌経はコワーカーを成長させるプロジェクト」なのです。確かに収入にはなりませんが、記者活動を続けていくことでスキルアップの連続です。
- 情報収集
記者として日常生活の中で目を光らせ、「これはニュースになるんじゃないか」「あれはなんだ」「どうしてそうなった?」と自問自答を繰り返し、時にはそのまま突撃して取材します。情報収集することが習慣になります。地元ニュースやタウン誌もチェックを欠かせません。 - 客観性・中立性・会議スキル
集まった情報を選定します。より読者となる市民に知ってほしい情報はどれか、このニュースを知って得するのはどんな人か、PVが伸びるのはどれか。一人の満足ではなく、会議で客観的に中立的な視点で他のメンバーの同意を得る必要があります。 - 取材
アポイントメントの取り方、挨拶の仕方、自己紹介、活動の紹介、取材の意図や効果を説明するといったコミュニケーションスキルが求められます。取材対象者は年配の方になる場合もあり、「インターネットがよくわからない」なんてこともざらです。 - 執筆
みん経は新聞の文章を基本とします。用語も記者ハンドブックで統一され、表記の揺れや客観的な表現が求められます。短く、的確に、最小限の文章で伝える。専門用語や略称は避け、最低限の解説も加え読者に伝える努力をします。 - 編集
不必要な情報を削り、ニュースの本筋はなにか、伝えたいことはなにか、不足している情報ないかを読み直して考えます。ちなみに和歌経では一人の記者が記事を書いてそのまま公開されることは決してありません。必ず編集長、もしくは副編集長が目を通し、校正します。
これを平日毎日続けていきます。ネットでのやりとりが中心になりますので、通勤中の電車の中や空き時間を使ってチェックします。業務時間終了後から作業が始まることも多々あり、更新時間が遅くなってしまうことが目下の課題です。(関係各位m(_ _)m)
みん経記者というちょっと変わった活動を続けていくとどうなるか。まだ3年目ですが、こんなことがあります。
- 人脈が広がる
- 情報通になる
- 仕事が早くなる
締め切りに追われているのでやるしかない。 - 作文が苦でなくなる
- 初対面の人と自然と話せる
- 街がもっと好きになる。
興味を持って知ろうとするから、自分たちの街が好きになると、毎日の暮らしが楽しくなる。 - 全国に仲間できる。
みん経記者は世界に300人ほど。同じ苦しみと楽しみを分かち合える仲間が300人できました。
長くなりましたが、コワーキングスペースでの情報発信活動について書いてみました。僕一人では到底できなかったことが、コワーキングスペースに集まる仲間の力を借りて実現できました。ともに街ネタを追いかけて一喜一憂できる仲間ができたことが大きな財産です。
こんな感じで緩く地方都市でコワーキングしています。何か1つでも参考になることがあれば幸いです。